エレクトロニクス製品の超人的品質管理を実現するAIの活用事例 -4

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エレクトロニクス製品の品質向上のための実践的AI活用

 

製造業におけるAIの最も一般的な用途の一つとして検査が挙げられる。AIは検査の段取り時間を大幅に短縮し、欠陥検出の精度を向上させることができる。従来のコンピュータービジョン(CV)システムでは、大がかりな段取りと手間のかかるルールプログラミングが必要だ。新製品導入期間や生産ラインでの継続的改善中など、変更が頻繁に行われる状況では、製品のバージョンが変わるたびにルールの更新が必要となるCVシステムは実用的ではない。そのため、CVに依存するコンピュータービジョンシステムの使用は、一般に「1つの問題に対して1台のカメラ」という形態に限定される。つまり、カメラと段取りにかかる費用に見合うほど経済的損失が大きい故障モードに対してのみ使用することになる。また、残念ながら、CVは既知の問題を特定するためにしか使えない。故障モードを事前にプログラムしていなければ、システムはそれを検出できない。

 

一方、AI搭載システムなら、設計や工程の変更にリアルタイムで適応できる。AIアルゴリズムは数分でデータセットを学習できるため、AIの導入やカスタマイズは容易だ。さらに、AIは既知の問題と新しい問題の両方を検出することができる。既知の問題については、機械学習アルゴリズムは「超人的」な精度で欠陥を特定できるため、従来の手法よりも優れている。人間による目視検査では、欠陥検出率が一般的な業界水準で約80%であるのに対し、AIは最大99%の検出率をたたき出す。

 

また、AIはこれまで特定されていない新しい問題も見つけられる。見過ごされて流出したかもしれない欠陥も検出できるのだ。従来、新しい問題を発見するには、技術者がラインの端に座って製品を観察しながら、当初の検査手順に追加すべき不足点がないかを確認することになる。しかし、これは技術者が適切なタイミングで適切な場所にいることが前提となり、多少なりとも運に左右される。そして、品質戦略に運はそぐわない。

 

AIが事業に大きな影響を与える領域はほかにもある。その一つが「裏の歩留まり(dark yield)」である。裏の歩留まりとは、本来は工場で検出されるはずが流出してしまった不良品の割合を指し、市場での製品性能やクレーム以外に流出した台数を確認する術がないから「裏」なのだ。嵌合不良のコネクターや、放熱グリス塗布不良の組立品は、完成品機能試験には合格するかもしれないが、市場での使用に耐えられない可能性がある。AIは、人間よりも検出能力が高く、未知の問題も発見できることから、裏の歩留まりを工場内で特定するために力を発揮する。言うまでもなく、欠陥は工場で発見する方が市場よりもはるかに望ましい。

 

 

 

(-5に続く)

 

 

 

 

 

 

※原文記事を機械翻訳+人手校正(ポストエディット)にて作成しております。