米国製造技術協会（AMT）が発行する米国工作機械受注（USMTO）報告書によると、2024年10月の工作機械受注額は3億8,500万ドルとなり、14.5%減、前年同月比5.5%減となった。年初来の累計受注額は37億4,000万ドルに達したが、前年同期比で7.5％減少した。

工作機械の受注は依然として長期的な減少傾向にあるものの、2024年10月の受注は過去の10月平均値を3%上回った。現在の減少傾向は、需要の拡大やコロナ禍で生じた供給ボトルネックに対処するため製造業者が展開した購買合戦が一巡し、発注状況が正常化したことを示している。

・工作機械の最大需要家である受託製造業者からの受注は、2024年9月に大幅に増加した後、10月には30％近く減少した。これにはいくつかの要因がある。米大統領選に伴う不確実性の高まりで、企業が追加投資をためらったと考えられること、また、2024年10月はボーイング社の機械工ストライキが続いたため、航空宇宙業界との取引が多い工場でも稼働率が下がったとみられることなどだ。

・受託製造業者とは異なり、航空宇宙製品・部品メーカーからの工作機械の受注は、2024年10月に最高水準まで増加した。さらに、平均受注額は2022年1月以来の高水準に達した。このことは、2023年の全米自動車労働組合（UAW）によるストライキの際と同様、航空宇宙メーカーが操業停止期間を利用して生産ラインの工作機械を更新・拡張したことを示している。

米連邦準備制度理事会（FRB）が金利をピーク時の5.5％から引き下げ始めてから1か月間の工作機械受注額は、直近の景気拡大期の平均を下回った。これは、1995年に経験した前回のソフトランディングとは対照的だ。その際、受注額は最初の利下げ後9か月以上にわたり、直前の景気後退終了から最初の利下げまでの間の平均を上回って推移した。先週発表された力強い雇用統計では、主に耐久消費財メーカーが牽引する製造業の伸びがうかがえた。今後の行方を占うポイントは、12月18日に開催されるFRB会合とFRBによる次回の景気予測発表だ。

詳細は、www.amtonline.orgで確認できる。

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