経営者が品質重視の経営手法について改めて学ぶべき理由 -4

品証・品管ニュース

現在の課題

 

品質マネジメントシステムやそれに基づく監査だけでは、今日必要とされる品質要件を満たすためには十分でないのかもしれない。その証拠となるような品質問題が増えつつある。過去5年間で、経営者による品質への関与は低下し、品質に関する責任は品質部門に委ねられる傾向にある。一方で、リーン生産方式やシックス・シグマなどのオペレーショナル・エクセレンスを目指すプログラムが注目を集め、工程改善や、要求通りの製品品質確保のために活用されている。しかし、こうしたプログラムでは、製品の品質よりもむしろコスト削減や効率性に重点を置かれやすい。

 

経営者の注目は再び品質から生産性へ

 

経営者の目線が製品品質の管理から生産性の向上へとシフトすると、従業員は、製品品質が重要だという一方で、生産性とコスト削減も重要だとする相反するメッセージを受け取ることになる。このことは、ボーイング、テスラ、トヨタ、フォルクスワーゲンなど、第三者によって「認証」された品質システムを持つ企業で相次ぎ起こった品質問題の一因となった可能性がある。認証を取得すれば品質欠陥がなくなると考えている経営者もいるだろうが、実はそうではない。

 

品質マネジメントシステムの認証と最近起きた問題

 

次の例について考えてみてほしい。

 

  • テスラ:ISO9001の認証を取得しているにもかかわらず、モデル3とモデルYで品質管理問題が繰り返し発生していることは、安定した品質の維持に課題があることを示唆している。強気の生産目標やコスト削減策が、品質の低下を招いた可能性がある。
  • ボーイング:AS9100の認証を取得しているにもかかわらず、737MAXで重大な品質問題が発生したことで、同社の品質マネジメントシステムの運用に潜在的なギャップがあることが浮き彫りになった。経営効率とコスト削減を重視するあまり、厳格な品質管理の必要性が疎かにされた可能性がある。
  • サムスン:Galaxyスマートフォンの品質問題は、ISO9001の認証を取得していながら、同社の品質マネジメントプロセスに潜在的な弱点があることを示している。市場シェアの早期獲得を目指した短期間での製品投入が、製品品質の低下につながった可能性がある。
  • フォルクスワーゲン:排ガス不正問題は、主に倫理上および規制上のコンプライアンスの問題であったが、もっと広い意味で、強固な内部統制と品質基準の維持に関する課題があったことをもうかがわせる。経営効率と競争力の追求が、品質管理の不正を引き起こした可能性がある。

 

 

(-5に続く)

 

※原文記事を機械翻訳+人手校正(ポストエディット)にて作成しております。