リード・スイッチ・デベロップメンツが品質面で同業他社より優れている点は何だとお考えですか?
ダーリン:まず言えるのは、組織として自らの強みと改善すべき点を認識していることでしょう。特に重視しているのは、自分たちの認識が、お客様から継続的に寄せられる外部フィードバックと実際に一致しているか確認することです。
こうした品質に対する総合的なアプローチこそが、同業他社との真の差別化要因になっていると言えるでしょう。前向きで、家族的で、品質にこだわる組織文化も欠かせません。そのため、求職者の選考段階から品質を重視した考え方を貫いています。公私にわたる誠実さ、チームワーク、積極性、そして強い職業倫理を重視する当社の理念に共感するだけでなく、常にスキル向上に努め、継続的品質改善に取り組むという意識を共有できる人材を募集・採用するよう心がけています。
ローゼンバウム:新しい応募者を採用した後、最も重要なのは、彼らが活躍できる道筋をつけることです。そのため、新入社員は90日間にわたる広範な社内研修とオリエンテーションを受けます。その間に積極的な指導を行うことで、社内の品質慣行に慣れてもらいます。従業員一人ひとりは、それぞれの担当業務で活躍したいという強い想いを新たに毎日出勤しているはずです。品質問題が発生するのは自然なことだと考えています。人間がやることですから。そのため、問題が発生した際には、誰かを責めるのではなく、誠実さと目的意識を持って直ちに対処するよう努めています。品質上の懸念が発見された時点から、意識を向ける先を直ちに切り替え、ミスの発生につながった可能性のある作業プロセスを評価し、ミスの根本原因を特定し、迅速な是正措置を講じることに集中します。チームとして結束して取り組むのです。
例えば「マニュアルの手順を見落としていないか」「追加トレーニングが必要なプロセスはないか」「作業指示が不明確な箇所はないか」「社内治工具の改良は必要ないか」「サプライヤーの納入部品について、気付いていない品質問題はないか」などです。全従業員が根本原因の分析と是正措置に積極的に関与することを奨励しています。気付いたことがあれば必ず声を上げるということです。「犯人探し」をやめれば、従業員は発生した問題を積極的に特定するようになり、必要な変更を前向きに受け入れるようになります。長い時間をかけ、そのことが理解できました。
製造面では、お客様からの注文履歴を見ると、そのほとんどが試作にはとどまらず、最終的には、厳しい顧客基準への対応が求められるカスタム設計へと移行していることがわかります。そうすると、お客様からのオーダー内容は毎回異なることになります。このように非定型的な製造業務で不良品ゼロを達成するため、オーダーごとに反復可能なプロセスを構築しています。また、生産・品質保証ガイドラインを「リーン化」し、作業指示書とともに、構想から生産までのプロセスに確実に組み込んでいます。その結果、各カスタムオーダー品が出荷に至るまでの間に、次回から社内標準として使用できる生産手順や品質保証手順が確立されるようになっています。
ダーリン:最近の顧客調査からもわかるように、当社のお客様リピート率は異例の高さです。これは、常に優れた製品品質、価格競争力、優れた顧客サービスを提供しているからです。 このようなリピートオーダーが継続することを念頭に、今後もカスタム製品を発注してくださるお客様に対し、最初の注文時と同等の品質水準を再現できるようにしています。細部にまでこだわってプロセスを文書化することで、現在業界で標準的とされるリードタイムよりも短期間でカスタム製品を製造できています。
ローゼンバウム:過去も含め、当社の製造拠点は100%米国です。すべての製品の設計と組み立てを社内で行っています。そのため、出荷する製品すべてについて、社内で実施した工程段階を一つ一つ説明することができますし、個々の注文への組織としての向き合い方に心から誇りを持つことができます。
ダーリン:当社には思いやりの文化があります。その形は、仕事を確実に遂行することだったり、お客様や従業員、その家族をサポートすることだったり、私たちが暮らし、働く地域社会に貢献することだったりと、さまざまです。何年もかけてわかってきたのは、従業員の功績を称え、模範的な行動を示した人に報い、さらには会社のチャリティイベントや親睦イベントを社外で開催することで、従業員の結束力と品質意識が高まるということです。従業員の定着率も異例の高さです。35年も、あるいはもっと長く在籍する従業員がいるおかげで、全体的な製品品質をしっかりと確保し、製造業務を安定させ、業界内で当社ブランドに対する継続的な信頼を築くことができているのだと思います。
また、企業として、当社のビジネスを次の段階へ進めるには、グローバルレベルで業界に精通した特定のタイプの人材が必要であることも認識しています。このような専門的人材を見つけるのはかなり困難です。そのため、品質へのアプローチの一環として、ニッチな業界の専門家を外注という形で戦略的に招き入れ、専門的人材のギャップを埋めるということも行っています。御社〔Quality Magazine発行会社〕の場合、もう長いお付き合いですが、御社の顧客として、製品技術ごとにその業界ならではの情報を提供いただいたお陰で、真の競争力が得られました。
まとめると、私たちが品質というものをより総合的にとらえ、その考え方を事業活動のあらゆる側面に当てはめるようになって初めて、真の変革が起こり始めたと言えるでしょう。それが当社の現在の姿につながっているわけです。私たちが持つ強い信念に従い、この先も長きにわたり事業を続けていけるものと考えています。
(-3に続く)
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