英国のデイリー・テレグラフ、デイリー・メールおよびデイリーエキスプレスの3紙はそろって、今後50年の間に、イギリス英語は移民の流入によって取り返しがつかないほど変わるという記事を掲載した。その原因として、「thin」や「this」にある「th」のような音の発音ができない移民が多いからだとしている。
今回の記事は、ヨーク大学の社会言語学者Dominic Watt氏とアクセントコーチのBrendan Gunn氏が最近発表した、今後数十年間におけるイギリス英語の変化に関する報告書を受けて掲載されたものである。しかしWatt氏らの報告書では、英語が変化する原因は、テクノロジーの発達およびロンドンと米国の文化の影響が大きくなったためとされており、移民については全く言及されていない。
対して、ポーツマス大学の上級講師のMario Saraceni氏は、英語が変化するのは、19世紀に台頭したヨーロッパのナショナリズムが原因であるという。