パルス渦電流を利用した検査方法が腐食の発見に役立つ理由 -1

品証・品管ニュース

パルス渦流探傷試験(PEC:Pulsed Eddy Current Testing)の最大の利点は、保温材や防護カバー、金網などの上から検査できることだ。

 

石油・ガス業界では、保温材下腐食(CUI:Corrosion Under Insulation)や耐火材下腐食(CUF:Corrosion Under Fireproofing)は検出が難しく、検査費用も高額となることから、長年の課題となっている。腐食を放置すると、故障の原因となるだけでなく、安全上の懸念から設備の一部が使用停止になることさえあり、深刻な影響が生じかねない。過去に発生した配管漏れについてのデータを見てみると、原因の第1位は保温材下腐食(CUI)であることがわかる。製油所では、API583規格で定められたとおりに設備の腐食を検査しなければならない。通常の検査手順では、腐食が重大な問題を起こす恐れのある箇所全体をスクリーニングした上で、局所的に保温材などをはがしてから超音波検査で残存肉厚の精密測定を行う。課題は、設備全体をいかに効率的に評価するかだ。また、保温材をはがして再施工するとなると、それには費用だけでなく多大な手間もかかる。過去20年間、この課題に取り組もうと様々な代替検査方法が用いられてきたが、最近、その効果の高さから利用が広がった方法がある。パルス渦流探傷試験(PEC)だ。

 
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