翻訳者がセレブリティとしての地位を得ることは稀だ。しかし昨年9月、ニューヨーク、ブルックリンの書店で行われた「The Story of the Lost Child」の出版記念で、素性を隠し公の場に姿を見せない著者、エレナ・フェランテに代わり賞賛を浴びたのは、イタリア語翻訳者のアン・ゴールドスタインだった。
フェランテのナポリタンシリーズ4部作は北米、イギリス、オーストラリア、ニュージーランドでミリオンセラーとなり、翻訳者であるゴールドスタインも有名人となった。66歳のゴールドスタインは、いまやイタリア文学で引っ張りだこの翻訳者である。