都市化やグローバル化、国際的なメディアなどによって、多くの人が十余りの“巨大”言語を受け入れるようになり、百年後に生き残っている言語はわずか数百という説もある。だが言語が消滅するという大きな流れの中で、世界の各都市で興味深い方言が新たに登場してきている。それを担っているのは移民の子どもたちを中心とする若者層だ。ヨーロッパへの大量移民のもたらす影響のひとつが、これまでになかった話し方の発達ということになるかもしれない。
しかしヨーロッパ各国が大量の移民を受け入れることで、いつの日か言語はそのような他言語方言に取って代わられると考えるのは杞憂である。口語は標準語とは別に発達しうるもので、人はそれを使い分けるようになるからだ。