環境が形作る私たちの言語

世界翻訳ニュース

人は、身振り手振りのみを使って出来事を説明するよう求められると、SVO(主語、述語、目的語)型である英語のネイティブスピーカーでさえも、SOVの順番を好んで使うというのがこれまでの研究による通説だった。しかし、スウェーデン ルンド大学のChristensen博士によると、人がSOV、SVOのどちらを自発的に使うかは、特定の環境や社会的相互作用などの要素を操作することで変わってくるそうだ。

博士の研究では、被験者にお互い手振りのみで簡単な出来事を伝達させた。すると、対象物に対し人的操作が加わった出来事に対して被験者はSOVを使うが、目的語構文で提示される出来事の場合はSVOを使ったという。これは二つの統語パターンの図像性から来るもので、統語構造が本来の特性を反映しているのではないかと研究者らは考えている。