アリスの翻訳「いかれた」挑戦

世界翻訳ニュース

ルイス・キャロルが1865年に執筆した「不思議の国のアリス」。150年の歴史の中で、主だった言語へはもちろん、少数言語にも多く翻訳されてきたが、作品の魅力でもある言葉遊びやパロディーは翻訳者泣かせと言われ、完璧な翻訳は存在しないという。

例えば、ネズミの「尾話(おはなし)」では、同音異義語であるtale(おはなし)とtail(しっぽ)をかけた極めて重要なダジャレの面白さや、韻の部分のニュアンスなどを損なわずに訳すには、どう訳せばよいのか?マッドハッタ―(いかれた帽子屋)は、当時帽子の製造過程で水銀が使用されており、その水銀のせいで頭がおかしいという設定だが、帽子を製造するときに水銀を使ったことのない国ではどう訳すのか?言語によっては、これらの点を完全に無視して訳されているものもあるという。