ニューヨークタイムズ紙がネイルサロン業界の調査記事を載せた5月、世界を駆け巡ったのはネイリストたちの低賃金や健康の話題だけではなかった。同紙としては初めて、韓国語版、中国語版、スペイン語版をウェブ上で公開したことが大きな話題を呼んだ。
主要メディアはより幅広い読者に向けて外国語版のアプリや特集号を発行してきたが、その多くは本紙の紙面とは異なるものだった。一方、多言語で発信するメディアは多文化に焦点をあてることで独自路線を歩む傾向がある。
ところが今回NYT紙は、メインとなる英語版サイトに翻訳を掲載した。他の大手メディアだけでなく、最近は小規模な出版社も次々とこれをまねている。こうしたアプローチを用いれば、外国語版や海外支局を持たない出版社でも記事ごとに翻訳を出してより多くの読者を獲得できるというわけだ。