米シカゴ大学のSamantha Fan博士とZoe Liberman博士が行った研究によると、日常的に他言語に触れている子どもは、一言語しか話さない子どもに比べて、他人の視点で物事を考えることに長けているという。
この研究は、一言語しか話さない、バイリンガル、日常的に他言語に触れている、という3つのグループに分けられた4~6歳の子どもが、他人の視点で物事を考えるかどうかを実験したもので、バイリンガルおよび日常的に他言語に触れている子どもは、75パーセントの確率で他人の視点で考えたのに対し、一言語しか話さない子どもの場合は50パーセントという結果になった。
バイリンガルには認知的優位性があるという点は、先行研究でも示唆されてきたことだが、今回の研究では、バイリンガルでなくとも他言語に触れているだけで同様の恩恵があることが初めて実証された。研究結果はPsychological Science誌に掲載されている。