機械翻訳市場は、技術的進歩が期待されることから、今後4年間に25パーセントの成長が予想されるとする新たな報告書が発表された。
このような予想が発表されると、機械翻訳の質がすぐに向上し、人による翻訳は必要なくなると思われがちだ。しかしそれはまだ早い、とMultiLing社のシニアバイスプレジデントJeremy Coombs氏は、国際的な非営利翻訳団体Globalization and Localization Association(GALA)のブログで自説を述べている。
Coombs氏は、機械翻訳のような技術は情報伝達においてたしかに重要な役割を占めているが、現在行われている翻訳の大半については、依然として母語や文化、専門分野について精通している人間の手を借りる必要があるとしている。特に、1語の誤訳で書類が無効になり多額の収入減をもたらしかねない特許出願書などの知的財産の翻訳においてはその傾向が強いと指摘した上で、翻訳について考えるにあたっては、以下の2点を頭に入れておくよう呼びかけている。
1. 機械翻訳は過去の例を手引きにしている。
2. 言語はその国の文化や背景と深く結びついている。