機械翻訳の発達によって言語の壁は低くなってきているが、それだけではまだまだ足りないことがあるようだ。
アフリカでは蔓延する病にあまりにも多くの人々が苦しんでいるにも関わらず、人不足や資金不足のせいで十分なケアができていない。欧米諸国や援助機関は、医師を養成したり病院を建設したりと医療制度を充実させるための援助を行っているが、別の角度からも出来ることがあるようだ。
1000以上の言語が話されているアフリカでは、言語の問題を抱えている病院も多い。輸入されてくる薬の説明書は英語やフランス語などの西洋言語で書かれているために患者が内容を把握できず、母乳を出すための薬をもらった母親が、誤って赤ん坊にその薬を飲ませ、赤ん坊が死亡するという悲劇も実際に起こっている。英語を話す医者の言うことが分からない、英語で書かれた投薬の説明書が分からないという患者のために、通訳者や翻訳者を育てる必要性に人々は気付き始めている。