ハンドヘルド型蛍光X線分析計を用いた金属膜厚測定方法 -2

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校正法

 

従来型でもハンドヘルド型でも、蛍光X線分析で重要なポイントの一つは、どの校正法を用いるかだ。蛍光X線分析では、金属基材と金属被覆層の両方から特徴的な信号が発生するため、膜厚は、基材から発生する信号の吸収、または各被覆層からの放出のいずれかを基に判断できる。したがって、経験的校正モデルを構築するという方法が考えられる。そのためには、分析校正用の標準物質(特性評価済みの標準試料)の膜厚または被膜重量と分析対象の信号との関係をモデル化する必要がある。そのための計算は、単層膜の場合は非常に簡単なことが多いが、多層になると非線形モデルの使用が必要となり、複雑だ。多層膜系では、必要な標準試料が多く、その入手や製作が困難な場合もある。

 

最近の分析装置では、理論モードを使用することで標準試料を不要とした、いわゆる「スタンダードレス」のファンダメンタルパラメータ校正法が採用されている。物理定数を用いたアルゴリズムで、スペクトルデータから試料の物理的特性を反復的にモデル化する方法だ。このタイプのアルゴリズムは、複雑な多層膜やさまざまな組成の基材を扱うことができる。分析校正用の標準物質(standard)を使用せずに測定できることから「スタンダードレス」と呼ばれる。ただし、分析装置の精度確認や、必要に応じた精度向上のための補正を目的として、標準試料の使用も推奨されている。それでも、必要な標準試料の数は、経験的校正法よりもはるかに少ないのが一般的である。(-3に続く)

 

 

 

※原文記事を機械翻訳+人手校正(ポストエディット)にて作成しております。