パルス渦流探傷試験(PEC)のプローブは約12インチ以下のリフトオフには影響を受けない。非常に大きなコイルを使用しており、形成される磁場もそれに応じた大きさがあるためだ。一方、磁場が大きいということは、プローブの測定対象となる通電面積が大きいということでもある。プローブで測定する信号はその面積に対する平均値であるため、ピッティングなど微小な欠陥や浅い欠陥は検出しにくい。プローブと試験材との距離が遠いほど、コイルを大きくする必要があるため、リフトオフが大きくなり、微小な欠陥の検出が難しくなる。
PECによる肉厚測定については、理解しておくべき重要な点がいくつかある。まず、PECが示す肉厚値は絶対値ではなく、試験材の公称肉厚に基づく相対的な測定値である。さらに、PECでは肉厚に関する情報のみを読み取るため、減肉の原因である腐食の場所が近いのか遠いのかは把握できない。しかし、想定される減肉の発生メカニズムについては検査員が認識しているはずだ。最後に、渦電流は試験材の電磁気的特性のばらつきからも影響を受けやすいという点も重要だ。このようなばらつきはパイプの製造工程や材料の合金などから生じる可能性があり、PECの肉厚測定精度が実際の公称肉厚の±10%程度なのは、主にこの理由からだ。PECの検査性能と検査精度を向上させるための技術改良は続いているものの、こうした点を踏まえると、ほどほどの精度の減肉測定で迅速かつ経済的に腐食を発見できるスクリーニングツールとしての使用が推奨される。
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