電話通訳の存在意義

世界翻訳ニュース

電話通訳(TI)とは電話を介して行われる遠隔通訳で、その利便性と低コストが重宝され、官民両セクターでの利用が共に近年増加しているビジネスである。利用者は電話をかければ即時に通訳者に繋がるので大変便利な上、通訳者に交通費などを支払わなくてよいのでコストを抑えることができる。ただ、明らかにオンサイトの通訳者がふさわしいと思える場面にもTIが用いられることを危惧する声もある。経費削減を重視して「質」の問題が軽視されているというのだ。しかしTIがオンサイトの通訳より質が低いと判断するのは尚早だ。TIは視覚的情報が欠けるために質が低くなると判断されがちだが、それを裏付けるデータはなく、特別な訓練を十分に積むことで克服できると思われる。

上記は、プロの通訳・翻訳者で、現在スペインの大学で電話通訳について教鞭もとっている、Marlene Fernández氏の記事の冒頭部分より。記事の中で同氏は、対面式の通訳とは異なり、TIはスペインでは法的に録音が義務付けられているため、フィードバックで以降の品質向上が可能な点などについても指摘している。