翻訳とトランスリンガルを研究している英Institute of Modern Languages ResearchのHadley博士は、慣れ親しんでいる「翻訳」について、我々はまだ知らないことがあると指摘する。その冒頭を以下に紹介する。
私は翻訳というものがいかに21世紀の我々を支えているか、そしてなぜ我々の生活に不可欠なのかを伝えたいのです。最も重要なのは翻訳のセオリーです。ひとつの言語を他の言語に、内容を変えないように書き換える。この作業にどんなセオリーが必要だというのでしょう?
翻訳は思うより複雑です。我々の研究では、翻訳者は翻訳をしながら、自身の個人的な考えを意図せず翻訳物に反映してしまいます。翻訳者の政治観や宗教観などが消せないマークのように翻訳物に入り込み、それが予測不可能な影響を読む人に与えてしまうのです。