イギリス在住のコピーライター、Sam O’Flahertyが、The Guardianのコラムで、イギリスの帝国単位について「大英帝国は没落したが、帝国単位は生き続ける」と語っている。
正式な国際単位系であるメートル法は、世界基準のスキームである。イギリスでもメートル法を採用してはいるが、それは建前上のことであり、国民が慣れ親しんでいるのは帝国単位(ヤードポンド法)である。メートル法とヤードポンド法は、単に異なる単位というだけではない。言語が違うのだ。
交通標識の単位を変えるだけなら簡単かもしれない。しかしそれは、何世紀にも及ぶイギリスの文学的伝統や文化を無視し、言語の個性を捨て去り、そして何より、自らの考え方自体を変えることにつながる。そういったことがメートル法の採用が進まない要因となっているようだ。