翻訳業務で活用しているツールや技術について

サービス紹介

ホンヤク社のA.T.です。

今回は、翻訳の制作現場で活用しているツールや技術についてご紹介します。

 

技術の急速な発展は、翻訳業界にも大きな影響を及ぼしています。

現在弊社では、Microsoft Office系のソフトウェアで作成されたビジネス文書から、AdobeのIllustratorやInDesignといった出版業界で使用される専門的なソフトウェアで作成されたファイル、CMS(コンテンツマネージメントシステム)からエクスポートされたXMLベースのコンテンツ、あるいは、論文投稿用の専門フォーマットなど、さまざまな文書形式に対応しています。そのほか、紙の原稿しかない、という場合でも、原文をデジタル化し、翻訳支援ツールを使用して翻訳作業を行うことが当たり前になりました。翻訳作業を行う前に、スピーディーに、またリーズナブルなコストで処理を行うことができるようになったからです。翻訳支援ツールを使用することで、翻訳メモリや用語集といった翻訳資産を生かして、訳語や表現の統一、専門用語や固有名詞の定訳の反映が可能となります。また、純粋な翻訳対象が限定されるため、翻訳コストが削減され、納期も短縮されるほか、目視で行うよりもチェックの精度、効率が向上します。弊社では、現在、Memsourceを中心に、TradosmemoQなど複数のツールのなかからプロジェクトごとに最適なツールを使用しています(もちろん、お客様が希望されるツールに合わせることも可能です)。

 

また、最近特に増えているのが、翻訳メモリ機械翻訳を組み合わせて使用するケースです。原文テキストのうち、翻訳メモリとマッチする文章はメモリの訳文を流用し、あらたに翻訳する必要のある文章は機械翻訳による訳文を活用しながら訳文を完成させます。弊社では、複数の機械翻訳エンジンを導入しており原文の内容や形式に応じて、最適なエンジンを選定しております。また、翻訳資産がある場合は、翻訳エンジンに対訳データを追加して学習させる「アダプテーション」という技術を活用し、プロジェクトに特化した翻訳エンジンを作成、機械翻訳の精度を高めることが可能です。

 

翻訳技術の進歩のほか、翻訳業務の管理やプロジェクトの進行管理の面でも、システムを導入し効率化をはかっています。弊社には翻訳者やチェッカー、編集オペレータなど、1000名以上の登録スタッフがおりますが、各スタッフのスキルや経歴、専門分野や得意な形式、過去の実績などがすべてデータベース化されており、各自のスケジュールも見える化されています。そのため、原文の言語や内容、形式、用途に応じて、最適なリソースを管理ツール上で効率よく選定することができるようになっています。

 

AIをはじめとする技術の進歩のおかげで、翻訳の制作現場で活用できるようになったさまざまなツールを使いこなしながら、お客様や翻訳に関わるすべての作業者とのコミュニケーションを大切にしつつ、翻訳コーディネータは日々切磋琢磨を続けてまいりますので、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

 

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