ニューヨーク市に住むある女性は、元パートナーの虐待から身を守るための保護命令を発動してもらうために、家庭裁判所を6回訪れたが、そのうちの4回において、パートナー側にシンハラ語を通訳する通訳者がいなかったことを理由に、審理を延期させられた。最終的に彼女は、裁判の継続を諦めたという。
この女性が味わった苦痛は、多くの弁護士が指摘するように、州裁判所が直面している重大な問題を浮き彫りにしている。つまり、常勤通訳者数が減少し、臨時の通訳者も都合がつかないことが多いため、州裁判所が通訳者を見つけるのに苦労しているということだ。
ニューヨーク州裁判所事務局によると、同州が抱える常勤通訳者数は、2009年の335人から約270人にまで減少しているという。通訳者数の減少は主に、退職や部署異動によるものであるが、2011年には予算不足のため、5人の通訳者が一時解雇されたという。